看護学校を出たらどこで働く? 同級生60人の就職先は、ほぼ病院でした

看護学校を卒業したら、どんなところに就職するんだろう
と考えたことはありませんか。

私の同級生約60人の場合、進学した2人を除いて、全員が病院に就職しました。

この記事では、同級生60人の実際の就職先と、新卒看護師の多くが病院に就職する理由を書きます。44歳だった私が就職先をどう決めたのかも、実体験をもとに紹介します。

同級生60人の就職先は、ほぼ病院でした

先に結果から書きます。

私の同級生約60人のうち、進学した2人を除く58人が病院へ就職しました。

※病院=20床以上の入院用ベッド(病床)を持つ医療機関です。
一方で、19床以下は「診療所(クリニック)」に分類されます。

クリニックに就職した人、卒業後に就職しなかった人、どちらも私の知る限りではゼロです。

人数は記憶の範囲ですが、だいたいこんな内訳でした。

  • 地域の総合病院:約45人
  • 大学病院・がんセンターなどの大規模病院:3人
  • 脳神経などの専門病院:約10人
  • 保健師・助産師を目指して進学:2人

私たちが卒業したのは、コロナ禍の真っただ中でした。

当時は県外へ出ることにも厳しい制限がありました。大学病院に就職した1人を除いて、就職先は全員が県内です。

県内でも遠方の病院を選び、独身寮に入ったり一人暮らしを始めたりした子も20人ほどいました。

看護学校では王道の進路とされる「新卒はまず病院」。

少なくとも、私の周りでは本当にその通りでした。

なぜ新卒は病院に行くのか。大きいのは「教育」と「夜勤」

学生のころから「新卒教育」という言葉は何度も聞いていました。

でも、それが実際にどんなものなのかを知ったのは、入職してからです。

私が就職した病院では、新卒看護師を1年かけて育てる仕組みがありました。

最初の3週間は、病棟に出ず研修だけ

入職すると、まず新卒看護師全員を集めた研修が始まりました。

期間は約3週間。

その間は毎日座学や実技研修で、病棟には出ません。

3週間が終わって、ようやくそれぞれの配属先へ行きます。

私の病院では、新卒10人のうち9人が夜勤のある病棟やICU、1人が手術室へ配属されました。

日勤だけの外来に配属された人はいませんでした。

私の勤務先では、正社員として働く以上、基本的に夜勤をするという方針だったからです。

手術室に配属された同期も夜勤帯の勤務があり、緊急手術に備えて待機していました。手術が入らなければ器具の整備などをしていたようです。

初めて病棟に立った日のことは今でも覚えています。

先輩たちと同じ制服を着た自分を見て、
「本当に看護師になったんだ」と思う一方で、

「まだ何もできないのに、この制服を着ていていいのかな」
という気持ちもありました。

学校では実習着しか着たことがありません。

この制服を着ている以上、患者さんから見れば、私はもう1人の立派な「看護師」です。

そのうれしさと怖さが入り混じった感覚は、入職して1か月くらい続きました。

プリセプターは毎日の先生ではなく「1年間の担任」

新卒看護師には、プリセプターが1年間つきました。

私を担当してくれたのは、社会人を経験してから看護師になった3年目の看護師です。

ただし、毎日その人と一緒に働くわけではありません。

実際の勤務では、プリセプターかどうかに関係なく、日替わりで先輩看護師とペアを組みます。

プリセプターは、わからないことを毎日教えてくれる「先生」というより、困ったときの相談相手であり、1年間の成長を見てくれる人でした。

ちなみにペアで動く仕組みは、新卒だけの特別扱いではありません。

私がいた病棟では、何年目になっても基本的に2人1組で複数人の患者さんを受け持つ体制でした。

夜勤デビューは3か月目。5か月目にはひとり立ち

私の病院は、夜勤デビューも比較的早めでした。

入職3か月目くらいから、先輩と一緒に夜勤に入り始めます。

そして5か月目ごろには、数回の研修夜勤を経て、夜勤スタッフの「1人分」として人数にカウントされるようになりました。

夜勤が実際どんな勤務だったのかは、こちらの記事に書いています。

👉 44歳で看護師1年生。3交代制って地獄ですか?
👉 看護師の16時間夜勤はどんな流れ?44歳新人が経験した一晩

じつは、いちばんきつそうだったのは2年目

これは学生のころには知らなかったことです。

私の病棟では、人手が足りない日にペアを組まず、1人で患者さんを受け持つことがありました。

1人受け持ちの役割が回ってきやすかったのが、2年目の看護師です。

1年目はまだ新人。

3年目になると新人の指導役。

4年目くらいになるとリーダー業務が増える。

その間にいる2年目が、

「ある程度仕事はできるけれど、まだ役割が少ない人」

として扱われていたのだと思います。

2年目の先輩に、公務員から看護師になった人がいました。

その先輩はよく「入院さん」を任されていました。

新しく入院してきた患者さんを受け持つと、通常業務に加えて情報収集や書類、処置などが一気に増えます。

感覚としては、その日の仕事が2時間くらい上乗せされる感じです。

「なんで、いつも自分ばっかり」

とイライラしながら独り言を言っている先輩を、何度も見ました。

そのころの私は、

「大変そうだな」くらいにしか思っていませんでした。

でも自分も1年目後半になると、少しずつ入院患者を任されるようになります。

そこで初めて、

「あの独り言、わかる……」と思いました。

実際、その先輩は2年目で退職しています。

もちろん退職理由は1つではなかったと思いますが、1人受け持ちや入院対応が重なって、毎日遅くまで残業をしており、かなりつらそうに見えました。

新卒の1年間は、想像以上に手厚く守ってもらえます。

でも、その環境はずっと続くわけではありません。

44歳の私の就職先は、「地元しかない」で決まりました

私には、もともと別の計画がありました。

看護学校に通う3年間だけ田舎の実家に戻り、卒業したら以前暮らしていた都会へ戻って就職する。

ところが、その計画を崩したのがコロナです。

当時の学校には、

「県外に出たら2週間登校できない」という厳しいルールがありました。

当然、県外の病院へ気軽にインターンや見学に行くこともできません。

就職試験そのものを受けることはできたのですが、

実際に見たこともない病院へ44歳で飛び込むのは、私にはハードルが高すぎました。

本当は行きたかった病院候補がいくつかあり、求人や病院の情報までは調べていました。

それでも、県外に出てはいけない決まりに阻まれ、結局、応募まではしていません。

そうして私の就職先は、ほぼ必然的に地元の病院に決まりました。

奨学金は「どうせここに就職するなら、もらわないと損」

地元の病院に就職することが決まった時点で、その病院の奨学金を利用することにしました。

看護学校2年目から、月70,000円。

奨学金をもらっても使う用途がなかったので、受け取ったお金はすべて貯金していました。

このタイプの奨学金は、卒業後にその病院で一定期間働けば返済が免除されます。

だから当時の私は、

「どうせ就職することが決まっているなら、もらわないと損」

と思っていました。

その考えは、今でも基本的には変わりません。同級生も病院からの奨学金を学生時代に受け取っている子が多かったです。

……ただし私はその後、1年で病院を辞めることになります。

そして、奨学金770,000円を返済しました。

その話はこちらに書いています。

👉 看護師を辞めたら、お金はどうなる?奨学金77万円返済・翌月給与ほぼゼロの体験談

就職試験は、ほぼ面接だけでした

私は就職前の病院見学にも行っていません。

奨学金を申し込むときに一度面接へ行ったので、それが見学代わりのようなものでした。

就職試験を受けたのも、その病院1か所だけです。

すでに奨学金の審査に通っていたこともあり、就職試験は確認に近い印象でした。

記憶では、試験内容もほぼ面接だけ。

44歳という年齢についても、それほど深く聞かれませんでした。

私が感じたのは、

「年齢はともかく、新卒看護師として普通に一緒に頑張りましょう」

くらいの空気です。

こうして私は、自宅から車で数分の病院に就職することになりました。

病院以外で働くという選択肢は、頭にありませんでした

当時の私や同級生の多くは、

「新卒で病院以外に就職する」

という選択肢をまったく考えていませんでした。

新卒教育の整った病院で、まず3年は働く。

スキルを磨くにはその方法が一番だからだと思います。

看護学校の先輩が、卒業後1年もたたずに就職先の病院を辞めたという話も何度か聞きました。

そのときの私は、

「せっかく看護師になったのに、なんでそんなに早く辞めるんだろう」

と思っていました。

もっと言えば、

「つらいからって、1年で辞めるなんて根性がないんじゃない?」

くらいに思っていた気がします。

まさか、その数年後に自分が同じ立場になるとは、想像もしていませんでした。

👉 看護師を辞めたい40代へ|1年で辞めた本当の理由と「戦略的撤退」の話

でも、病院を辞めてから初めて知りました。

看護師が働ける場所は、病院だけではありません。

そして、病院で長く働けなかったからといって、看護師として働く道がなくなるわけでもありません。

その話は、次の記事で詳しく書きます。

👉 看護師の転職先は病院だけじゃない。転職のときに実際に探した「病院以外の就職先」と看護師の仕事

まとめ

私の経験から伝えたいことは、3つです。

  • 同級生約60人のうち、58人が病院へ就職し、2人が進学。クリニックへ就職した人はゼロでした
  • 新卒看護師にとって病院は、教育体制が整っていて、夜勤も含めた看護師の仕事を一から学べる環境
  • 私はコロナで県外の病院を見に行けず、地元の病院一択でした

「地元の病院を選んだのは正解だったのか」

と聞かれると、今でも答えは半々です。

もしコロナがなかったら、私は予定どおり都会へ戻っていたかもしれません。

そしてコロナが過去の話になった今も、結局私は地元を出るきっかけを失ったまま、ここで暮らしています。

でも子どものことを一番に考えれば、実家の近くにいたからこそ助かったこともたくさんありました。

生活費も抑えられ、お金も貯まりました。

だから今となっては、

「まあ、これはこれでよかったのかな」

と思っています。

そして、すでに「この病院に就職したい」と決めている人は、その病院に奨学金制度がないか、一度調べてみてください。

ただし、途中で辞めれば返済が必要になる制度も多いです。

「就職先が決まっているからお得」だけではなく、返済条件まで確認してから利用する。

1年で辞めて770,000円を返した私からは、それも付け加えておきます。

← ホームに戻る