看護師3人で患者50〜60人の夜。病棟看護師のリアルな1日【16時間夜勤編】

16時間の夜勤と聞いて、どういう勤務を想像するでしょうか。看護学生のころは、とにかく長いんだろうな、自分にできるのかな。大きな不安材料のひとつでした。実際にやってみると、きつさの中身は想像と違いました。忙しさもありますが、暗さと看護師の少なさです。

この記事では、16時半に出勤して翌朝9時に帰るまでの一晩を、時間ごとに書いていきます。

先に断っておくと、私は途中から夜勤を免除してもらっていたため、実際の経験回数がそれほど多くありません。

毎月夜勤をバリバリこなしていたベテランの話ではなく、新人看護師が数えるほど行った夜勤の記録として読んでいただければと思います。

まず、16時間夜勤の一晩を時間で並べます

私が勤めていたのは、地方の総合病院の内科病棟です。本夜勤は16時半から翌朝9時まで。一晩の流れはこうでした。

  • 15時半 出勤。情報収集(安定の1時間前出勤。サービス前残業)
  • 16時半 日勤からの申し送りを受ける
  • 17時半 夕食の配膳・食事介助
  • 18時ごろ 口腔ケア、おむつ交換回り、点滴などの処置
  • 21時前 消灯
  • 消灯後 翌日の採血準備、麻薬の確認
  • 24時から 交代で2時間の休憩
  • 3時半 おむつ交換回り
  • 4時半 バイタルチェック回り、採血
  • 7時 朝食の配膳、口腔ケア
  • 8時半 申し送り
  • 9時すぎ 残った記録を片づけて退勤

日勤に比べると、それほどスケジュールは詰まっていません。

日勤の1日と並べて読むと違いがはっきりします。同じ病棟の昼の記録は、こちらに書きました。

👉 病棟看護師のリアルな1日【日勤/午前中編】

👉 病棟看護師のリアルな1日【日勤/午後編】

夜勤がつらいのは、何が起こるかわからない緊張感

日勤と一番違うのは、夜にしか起きないことがある点でした。

夜になると、患者さんが変わる

昼間は落ち着いていた方が、夜になると別人のようになることがあります。夜間せん妄です。症状が強くなると、不安になってしまったり、叫び声を上げたり、ベッドから出て歩き回る方もいます。転倒の危険があり、そのままにはしておけません。

私の病棟では、症状がひどい方はベッドごとナースステーションの真横にある処置部屋へ移動することになっていました。すぐ目が届くようにするためです。処置部屋は鍵がかかる仕様ではなく、スライドドアで自由に開け閉めできます。

それでも、閉じ込められたと勘違いしてしまった患者さんがいました。看護師にひどいことをされるのではないか。そう思い込んだその方は、警察に電話をかけました。しばらくして、本当に警官がやってきたこともあります。

ひとりにつきっきりになると、業務が止まる

せん妄を起こした患者さんはパニックになっていて、目を離すと危険です。だからずっとそばで見守ることになります。

夜の受け持ちは20人ほどいました。そのうちの1人につきっきりになると、残りの19人に対して何もできなくなります。夜勤帯の看護師は3人しかいません。自分の患者さんの処置を誰かに代わってもらうこともできません。

業務が止まる。残業は確定。帰れない。イライラがたまる。この悪循環が、夜勤で一番こたえた部分でした。

3人で50人。真っ暗な中のおむつ交換

消灯後の病棟は暗いです。その暗い中を、看護師3人で50人を超える患者さんのおむつ交換に回ります。回っているあいだ、私はいつも「これ罰ゲームか何かかな…」と思っていました。みんなが寝ている時間に、なんで自分はこんなことをしているんだろう。

👉 44歳で看護師1年生。3交代制って地獄ですか?

忘れられないのは、真っ暗な中で言われたひとこと

夜勤専従の看護師がいました。ベテランで、申し送りが不十分だと人前でも容赦なく攻撃的な言動をする人です。「本当に使えないわ、あんた」。そういう言葉が平気で出てきます。その人とだけは同じ夜に入りたくない。ずっとそう思っていました。

一緒になったとき、こんなことがありました。

真っ暗な中のおむつ交換回りです。手元がよく見えず、緊張もあり、私は手順を少し間違えました。そのとき言われたのが「しっかりやれよ。ばかじゃないの」です。

そんな言い方をしなくてもいいのに。悔しさだけが、朝まで残りました。技術は確かなベテランでしたが、それとこれとは別だと今でも思っています。

2時間の休憩は、休憩ではありませんでした

24時から、交代で2時間の休憩に入ります。2時間もあるのか、と思われるかもしれません。でも私の病棟には、夕食のための時間が別に設けられていませんでした。つまりこの2時間は、夕食と仮眠の兼用です。

お腹が空いていれば、まずここでおにぎりを頬張ります。それから個室の仮眠室まで移動して、横になります。食べてから寝ると、当然そのぶん眠る時間は減ります。やっと眠れそうだ。そう思ったところで、目覚ましが鳴ります。

朝までに終わらせないといけない、早朝の採血

夜勤でプレッシャーが一番大きかったのは、4時半からの採血です。朝のうちに採って検査に出す目的で、この時間に行われることが多くありました。

月曜の朝は、ほぼ全員分

週明けの月曜は、病棟のほぼ全員が採血の対象になります。まだ手際よくできない私にとって、これが本当に緊張する仕事でした。終わらなければ検査に出せません。検査に出せなければ、そのあとの処置に響きます。そして日勤に迷惑がかかります。

申し送りが終わると、一気に眠気が来る

8時半の申し送りまでは、間に合わせることだけを考えて動いています。緊張が切れるのは、申し送りが終わった瞬間。ここで眠気が襲ってきます。

ただし、9時に帰れることはまずありません。残った作業を片づけて、1時間ほど残業してから帰るのが普通でした。

👉 夜勤手当がいくらついたかは、給料明細の記事に書いています

夜勤明けの日課は、コンビニでヘビーなお弁当購入

夜勤中はほとんど何も食べていません。緊張から解放された帰り道は、お腹がペコペコです。体のほうは、死ぬほど疲れています。

そこで買うのが、看護師になる前なら絶対に選ばなかったガッツリ系のお弁当でした。焼肉カルビ丼です。これが夜勤明けの日課になりました。

お弁当を食べて、お風呂に入って、ベッドに入るのは11時すぎ。3〜4時間眠ったら、もう子どもが帰ってくる時間です。寝不足のまますぐ起きなければならない日は、さすがに笑顔になれませんでした。

👉 1年で辞めた本当の理由

まとめ|16時間夜勤でしんどいのは、長さではない

私が数えるほどの夜勤で持ち帰ったのは、3つです。

  • きついのは業務量ではなく、人の少なさと、いつ何が起きるかわからない緊張
  • 2時間の休憩は、夕食と仮眠の兼用
  • 明けの日は、休みではない。容赦なく母親業が待っている

私は完全に夜勤に向いていませんでした。不規則な生活リズムは無理。いくら給料が良くても、もう絶対に嫌。はっきりそう言えます。

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