シングルマザーが看護学校に通うお金の話。実際に使った給付金・手当のすべて

「収入0円のシングルマザーが、看護学校の3年間を乗り切れるの?」

これ、私が看護師を目指すと決めたとき、一番不安だったことです。でも結論から言うと、行政の給付金と手当だけで、生活はちゃんと回りました。アルバイトもせず、養育費にも貯金にも一切手をつけずに、3年間やりきれたんです。

今回は、私が実際に受け取っていた制度を公開します。そして「知らないと本当に損する」制度のことも書いています。これは、過去の私のように「お金が不安で一歩踏み出せない人」に、一番読んでほしい記事です。

※制度の金額や要件は年度ごとに改正されます。この記事には私の当時の体験に加えて、調べられる範囲で最新の情報も載せていますが、最終的には必ずお住まいの市区町村・ハローワークの最新情報を確認してください。

まず、私が看護学校の3年間で実際に受け取っていた給付金・手当・奨学金を、一覧にまとめました。

制度1年目(月額)2年目(月額)3年目(月額)
高等職業訓練促進給付金70,500円100,000円100,000円
児童扶養手当約45,000円約45,000円約45,000円
児童手当10,000円10,000円10,000円
病院の奨学金70,000円70,000円
合計(月額)約125,500円約225,000円約225,000円

それぞれの制度について、ここから順番にくわしく説明していきます。

私の人生を変えた制度「高等職業訓練促進給付金」

まず、これがなければ私は看護師になっていなかったかもしれない、という最重要の制度から。

高等職業訓練促進給付金。ひとり親(母子家庭の母・父子家庭の父)が、看護師などの資格取得のために養成機関で学ぶあいだ、生活費を支援してくれる制度です。

私が実際に受け取っていた金額はこうです。

  • 1年目:月70,500円
  • 2年目・3年目:月100,000円

毎月10万円が振り込まれるというのは、本当に大きいです。最新の制度を調べてみると、住民税非課税世帯なら月額100,000円、課税世帯なら月額70,500円が支給され、さらに養成機関の修了までの最後の12ヶ月は増額されるのが今の基準のようです。(私の当時の1年目70,500円は、住民税が課税されていた時期だったためで、収入が0円になってからは満額に近づきました)

※この給付金の対象になるのは、看護師資格だけでなく、保育士、介護福祉士、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士などの資格です。

この制度を、私はどうやって知ったか

これは運命だったと思っています。

離婚の手続きで市役所に行ったとき、市民相談の窓口で「離婚後はどうするんですか? 収入面は大丈夫ですか?」と聞かれたんです。当時の私は具体的な計画なんて何もなくて、正直に「これといった案はないです」と答えました。

すると、相談員の方が「たとえば看護師などを目指すなら、こういう制度がありますよ」と、この高等職業訓練促進給付金のことを教えてくれたんです。

そのときの私は看護師になるなんて1ミリも考えていなくて、「へー、看護師とかってそうなんだー。手厚いなー」くらいにしか思っていませんでした。でも、あとで看護師を目指そうと決めたとき、この日の会話が決定打になりました。「この制度があるから、収入面で困らずに挑戦できるかもしれない」と。

だからこそ言いたい。なにも怖がることはないです。自分が対象か、どのくらいの金額を受け取ることができるのか、はやく市役所の窓口にいって聞いてみてください。私みたいに、人生を変える情報をもらえるかもしれません。

申請は、思ったより簡単

「行政の手続きって面倒くさそう」と思うかもしれませんが、まったく大変ではありませんでした。

申請は市役所の窓口で、所定の用紙を持っていくだけ。窓口の方が親切丁寧に教えてくれます。初回以降は3ヶ月ごとに、卒業まで書類を提出し続ける必要がありますが、これも難しいものではありません。市役所に行く時間がなければ郵送でも対応できたはずです。

ひとつだけ注意。提出を忘れると給付がストップします。これだけは忘れないようにしてください。

そして、これから看護師を目指す人へ大事なアドバイス。自分が通う予定の学校が、この制度の対象になっているかは、必ず事前に確認してください。調べてよくわからなければ、市役所の窓口で聞けば教えてくれます。

**できれば学校を選ぶ際にまえもって確認しておくのが必須と言えます。**入学が決まってから「あなたの学校はこの給付金の対象ではありません」なんてことがあったら大変ですから。

収入に応じてもらえる「児童扶養手当」

次に、児童扶養手当。私は月約45,000円を受け取っていました。

※最初の6か月間は約半額の28000円程度でした

これは看護学生かどうかは関係なく、ひとり親家庭で収入が一定以下なら受けられる制度です。2026年度の金額は、子ども1人の場合で全部支給なら月額48,050円、所得に応じた一部支給ならそれより少ない額になります。子どもが2人目以降はさらに加算されます。

私の場合、最初は前職の収入があって住民税を払っていたので、満額はもらえませんでした。でも1年ほど経って収入が0円・住民税非課税になると、満額もらえるようになりました。金額が所得に応じて10円単位で細かく決まるのは、こういう仕組みだからです。

ちなみに今の私は、ありがたいことに収入が一定以上あるので、この手当の対象外です。でもこれは、逆に嬉しいこと。「手当に頼らなくても生活できるようになった」という証拠ですから。

正直に言うと、私はこの児童扶養手当については知りませんでした。知らなくても、ひとり親家庭には市から案内が定期的にきますから申請を忘れないようにしてください。

「児童手当」は、子どもがいれば誰でも

児童手当は月10,000円。これはひとり親に限らず、子どもがいる家庭なら誰でももらえる制度です。2024年10月の改正で所得制限が撤廃され、今は親の年収にかかわらず高校生年代(18歳の年度末)まで支給されます。すでに受け取っている方も多いと思います。

就職先が決まっているなら「病院の奨学金」

就職予定の病院からの奨学金も受け取っていました。2年目から月70,000円です。

これは「就職後、決まった期間(私の場合は2年間)働けば返済不要」という仕組みのお金です。 就職先の病院が決まっている人は、ほぼ必ずもらったほうがいいと思います。

この奨学金、本来は1年生時からもらえば1年分多く受け取れました。でも私の受給は2年目から。原因はコロナです。

もともと卒業後は首都圏で就職するつもりだったので、地元の病院への就職は考えていませんでした。 ところがコロナで県外への移動が規制され、首都圏の病院見学にも行けず、「県外に出たら2週間学校を休む」という規則までできて、就職活動がストップ。結局、地元の病院に就職するしかなくなりました。それなら奨学金をもらったほうが得だと考え、と2年目から受給を始めたんです。万が一別の病院になったとしても、奨学金には手を付ける予定もなかったので貯めておいて返せばいいだけ。 そのまま就職するならもらえてラッキー、くらいの考えです。ラッキーな金額が月70000円て大きいですよね。

ちなみに私は、約束の2年間が経つ前に退職してしまったので、11ヶ月分はのちに返却しました。でも驚いたのは、働いた期間の分は返さなくていいということ。奨学金にはもともと一切手をつけずに貯めておいたので、返却も何の苦労もありませんでした。

もらえなくて悔しかった「教育訓練支援給付金」

ひとつ、要件を満たせずもらえなかった制度があります。教育訓練支援給付金です。

これは、要件を満たせば失業保険の基本手当日額の約80%相当が生活費として支給されるという、かなり手厚い制度です。社会人から看護学校に入った同級生でこれを受給していた子は「生活費に困らない」と話していました。

私がもらえなかった理由は、働いていた期間の要件です。「学校に入る前に継続して2年間働いていること」といった条件があったのですが、私は育児で一度退職した期間があり、1年6ヶ月ほどしか働いていなかったので、要件を満たせませんでした。

この制度の申請先はハローワークです(市役所ではありません)。問い合わせもハローワークなので、間違えないようにしてください。

他にも使えるかもしれない制度

私は使いませんでしたが、調べてみると、ひとり親が看護学校に通うときに使える制度は他にもありました。当てはまりそうなものは、ぜひ窓口で相談してみてください。

  • 高等職業訓練修了支援給付金:高等職業訓練促進給付金とセットの制度で、養成機関の修了時に一度だけ支給されます。住民税非課税世帯で50,000円、課税世帯で25,000円が目安です。
  • ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付(入学準備金・就職準備金):入学準備金として最大50万円が貸し付けられる制度。卒業後に看護師として就職し、5年間就業を継続すれば返済が免除されます。申請窓口は社会福祉協議会です。
  • 自立支援教育訓練給付金:対象の教育訓練講座を受講・修了した場合に、経費の60%が支給される制度です。
  • 母子父子寡婦福祉資金貸付金:ひとり親家庭向けの貸付制度で、修学資金などに使えます。

ただし、貸付(借りるお金)については慎重に。利息のある奨学金などは、のちの借金になってしまいます。行政がやっている返済免除つきの制度ならともかく、それ以外の有利子の奨学金は、なるべく借りないことをおすすめします。

実際、生活は回ったのか

結論、完全に回りました

養育費と病院の奨学金には一切手をつけず、これらの給付金・手当だけで生活のすべてを賄うことができました。手をつけなかった養育費と奨学金は、そのまま貯金になりました。(余談ですが、この時期に貯められたお金が、後のNISA投資の元手にもなっています。その話は別の記事「44歳で看護師になってすぐ始めたNISA、今では1000万円超」に書いています)

これから挑戦する人へ伝えたいこと

最後に、これから看護学校を目指すシングルマザー・社会人の方へ。

もらえるものは、すべてもらってください。それが、勉強に集中するための一番の近道です。この記事を参考に、自分に当てはまりそうな制度は、遠慮せずすべて活用してほしいと思います。

特に高等職業訓練促進給付金は、知らないと本当に損です。むしろ、この制度の存在を知ることで、「私も資格を取れるかも」と一歩踏み出せる人が増えるんじゃないかと思っています。実際、私がそうだったので。

お金の不安で夢をあきらめるのは、もったいない。まずは市役所の窓口へ。そこから道が開けます。


※この記事は私の体験に基づくものです。給付金・手当・貸付の金額や要件は年度・自治体によって異なり、改正もあります。申請の前に、必ずお住まいの市区町村・ハローワーク・社会福祉協議会の最新情報を確認してください。

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